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(要望・議論のまとめ)【流動化・質保証】に関する議論のまとめ ~全国統一的なURA質保証の要望と、URAの評価の在り方について~

更新日:2018年06月05日更新

研究大学コンソーシアム 高度専門人材・研究環境支援人材の活用に関するタスクフォース

1.前 提
本タスクフォースにおいて議論する人材の範囲は、大学及び公的研究機関(大学共同利用機関法人等を含む。)(以下、「大学等」という。)の研究活動を念頭に置き、「大学等における研究活動または研究大学としての組織運営に必要な高度専門人材・研究環境支援人材」(以下、便宜的に「URA」という。)とする。


2.論 点
【流動化・質保証】人材の流動化を進める上での資質の認定、データベース整備と大学群での共通的な対応

※ なお、以下の論点についても、今後議論をまとめていくこととしている。
 【業務内容と範囲】URAの業務内容と業務範囲に関する定義づけについて
【第三の職種の定義づけ】URA等の名前・職域など、第3の職種としての定義づけと研究大学群での共通認識
【内在化】内在化を進める上での財政的基盤の確保(間接経費の活用などを含む)
及びポジションの確保(無期化、承継ポジションの活用、学長リーダーシップの在り方など)
【多様性の認知】URAの異なる出身、大学における該当職の多様性、大学とは異なる研究機関等におけるURA(高度専門人材)の役割など
【人材育成】URA等人材の育成
参照:論点の整理ペーパー https://www.ruconsortium.jp/site/tf/211.html


3.議論のまとめ
1)(URAの評価、質保証の観点)URAは、それぞれコアな専門性をもつことを基盤とし、大学等の研究活動を、研究者の視点および事務方の視点の双方からの横断的な機能をもって支え、大学等における研究活動および研究力向上にむけた取り組みを自発的にかつ積極的に推進する人材であってほしい。よって、URAの評価と質保証については、その強みとなる専門性の「深み」を評価しつつ、大学等での経験と実績、活動の幅の「広がり」も評価できるような形のものがよい。

2)(URAの専門性の評価)URAの専門性の評価は、平成25年度に作成されたスキル標準が一定の枠組みとなる。URAの専門性については、その業務項目ごとに評価することが良い。ただし、当該スキル標準の「専門業務」については、平成25年度以降に加わった様々な専門業務(たとえば、研究IR等)を加えるなどのマイナーチェンジは検討の余地がある。

3)(URAの質保証)大学等におけるURAの適切な評価と内在化を前提としつつ、適材適所に人材の流動化を図るためには、大学におけるURAの質保証を全国統一的な仕組みの中で行うことが必要である。URAの質保証に際しては、知識もさることながら、「大学等における経験と実績」が重要であり、それが評価の基本的な視点となる。むしろ机上の知識の有無や、それを学んだかどうかは、それほど大きな評価ポイントではない。ただし、「大学等における経験と実績」は、必ずしも年数によるものではなく、年数を多く重ねたからといって評価が高まるものではない。

4)(大学等以外の企業等における経験や実績)URAの出身は、多様であり、必ずしも大学等出身者だけではない。特に企業出身のURAは、大学等における民間活力の活用や、大学改革につながる戦力という点でも期待が大きい。大学等以外の企業等における経験や実績は、大学等における経験や実績とは異なるものであり、それぞれの大学等におけるURAの採用や評価の際に、別途、尊重されるべきである。

5)(URAの質保証の二段評価)URAの質保証は、(1)所属大学等内における評価(内部評価)(ただし、大学等での独自評価が難しい場合は外部機関による評価で補完)と、それを基とした(2)外部認証機関による客観的な認証(外部認証)の組み合わせが良い。

6)(URAの質保証の扱い)URAの雇用に際しては、上記「大学等における経験と実績」、その評価が重要な視点となるものの、必ずしもその質保証・資格認定は必須のものではない。たとえば、大学等が企業出身者などを雇用するに際して、上記の「大学等における経験と実績」の評価・質保証では測ることのできないケースもあると考えられ、資格保有は応募の必須条件ではなく、大学等における判断と方針に依存する。よって、資格の保有は採用の際に参考にされるものであるという制度設計がよい。なお、質保証は、大学等ごとの内部評価に基づき、URAとして共通的なスキルについて最低限必要な条件をクリアしていることを示すものであって、URAの能力をすべて保証するものでもない。

7)(URAの質保証の階級)URAの質保証は、スキル標準の項目ごとに、初級・中級・上級と3段階とすることが適当である。それ以上細かくすることは意味がない。また、すべてのレベルの判断において、「大学等とは何か」などの共通事項の理解があるかどうかを確認することも重要である。なお、必ずしも初級からスタートするものではなく、個々のレベルに応じて、最初から上級となる場合もある。また、評価が高まったからといって、大学等における職階と必ずしも連動するものではない。なお、それぞれスキル標準の項目ごとに、初級・中級・上級をどのように設定するかについては、今後の検討課題である。

8)(業務履歴等の共通化)URAの評価に際しては、上述の専門性の質保証とともに、これまでの実績・業務履歴は重要である。上述の評価・質保証などの観点を入れ込んで、URAの業務履歴等について、大学等間で統一的な書式を定め共通化することも必要である。

以 上

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