更新日:2024年03月26日更新
令和5年12月吉日
これからの博士人材の育成にむけた考え方の整理研究大学コンソーシアム
表題の件につき、以下の論点について、今後、研究大学コンソーシアムのタスクフォースにおいて、議論を進める。
博士人材として必要な「学問」(教養)を基盤とし、創造性と社会性を兼ね備えた、広くイノベーション創出に貢献する博士人材を育成する。そのための、多様な仕組み・評価の検討と実装が必要である
できていること | できていないこと | |
創造性と社会性 | 専門性に基づく創造性の深化 | 「学問」(教養)を基盤とした創造性と社会性の両立、その接続 |
大学院体制 | 大学院同士の連携(連携大学院) | 大学院と、研究機関、他セクター(民間企業等)との連携による横断的な連携大学院 |
大学院の位置づけ | 小中高大から大学院まで、高等教育としての大学院の役割 | 確固とした学術研究基盤をもととした、社会との接続を意識した大学院の在り方 |
博士課程の意義 | 卓越した学問に関する深い専門性 アカデミアにおける価値の創造 |
卓越した学問の深い専門性と社会との接続(社会性) |
評価の在り方 | 論文評価(とくに量)での博士課程の評価 | 論文評価だけでなく、論文評価以外の多様な評価軸の提案 |
キャリアパス | アカデミアにおけるキャリアパスの一つのステップとしての博士課程 | 社会の中での博士号取得のメリットとそのキャリアパスの具体化 |
社会人リカレント教育 | 社会人を受け入れるための多様で柔軟な制度設計(休業補償、企業への補助金の交付など) | |
横断する力、俯瞰力、トランスファラブルスキル | 専門性の追求 | 異なる他者、他分野の知識を感受する力、多様な考えを受け入れることができる力の育成、そのための体制 |
国際性 | 国際基準での博士人材育成 |
1)社会人リカレント教育を推進するためのモデル大学院の認定と制度検討
確固とした学術研究基盤をもととし、博士人材として必要な「学問」(教養)を社会人が学び実践する場として、全国20校程度を社会人リカレント教育のためのモデル大学院として認定。
この取り組みを通じて、以下の点を検討
2)複数の大学・研究機関・分野・セクターにまたがる「社会と接続性のある研究テーマ指向型」博士人材育成大学院コースの創設と、そのための学術研究拠点(コンソーシアム)の形成
オープン・サイエンス時代を前にして、エビデンスに基づく確固とした研究力に立脚した「社会と接続性のある研究テーマ指向型」で、大学を中心とし複数の研究機関・企業等の異なるセクターが連携した大学院コースの創設と、そのための学術研究拠点(コンソーシアム)の形成(全国20校・20コース程度を指定)。
この取り組みを通じて、以下の点を検討
3)国際共同研究を基盤としたテーマ設定型の国際連携大学院コース制度の検討
二国間また多国間協定等に基づき、特定の国の特定の大学大学院と国内の特定の大学大学院との連携による、国際共同研究を基盤としたテーマ設定型の国際連携大学院制度設計。既存のJoint Degree Programの運営上の反省を踏まえた柔軟な制度の在り方の検討。
この取り組みを通じて、以下の点を検討
※言葉の意味
※1:1及び2は、文部科学省科学技術・学術審議会学術分科会学術研究推進部会人文学及び社会科学の振興に関する委員会(第12回)資料2 「人文学及び社会科学の振興に関する委員会」における主な意見(案)-「人文学」関係-を参照して定義。
※2:3及び4は、Maurizio Pugno著「Well-being and Growth in Advanced Economies」を参照して定義。