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学術情報流通に関する連続セミナー 第2回(2024年3月7日)

更新日:2024年03月21日更新

「オープンアクセスの国際動向とダイヤモンドOAの展開」の開催について(ご案内)

 時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、RUC(研究大学コンソーシアム)に設置されております「学術情報流通の在り方に関する連絡会」では、オープンアクセスを巡る諸問題についての連続セミナーを開催しております。このほど第2回「オープンアクセスの国際動向とダイヤモンドOAの展開」を以下のとおり実施することになりました。このテーマにご関心のある皆様の参加をお待ちしております。


1.セミナー演題:「オープンアクセスの国際動向とダイヤモンドOAの展開」
2.開催日時:令和6年3月7日(木)15:00-16:30
3.開催方法:ハイブリッド(対面+Zoom配信)
4.開催会場(対面):ビジョンセンター東京駅前 703 号室
  https://www.visioncenter.jp/tokyo/ekimae/access/<外部リンク>
  ※JR「東京駅」八重洲中央口・北口から徒歩1 分、八重洲地下街直結、東京メトロ「日本橋駅」から徒歩5分。
5.講師:西川開氏(筑波大学 図書館情報メディア系 助教)
6.プログラム:
  (1) 趣旨説明
  (2) 講演
  (3) 質疑応答
7.参加申込:2月29日(木)までに以下のフォームからお申込みください。
8.記録について:当日は記録作成のために録画し、後日RUCのウェブサイトより公開予定です。
  申し込みフォーム 申し込みは終了しました。

当日の動画(YouTube)

当日いただいたご質問への回答(一部)

Q1.学協会著作権ポリシーデータベースを見る限りでは、アーカイビングのポリシーが明らかになっていないものがなかなか多い印象がありますが、日本でのグリーンOA率は上昇傾向にあるのでしょうか。https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/records/216<外部リンク>

A1. 近年は横ばいもしくは微減傾向でしょうか。
Cf. 西岡千文, & 佐藤翔. (2021). Unpaywallを利用した日本におけるオープンアクセス状況の調査. 情報知識学会誌, 31(1), 31–50.

Q2. 研究評価の見直しが非常に重要であることが理解できました。一方で、IFや被引用数、論文投稿数に代わるわかりやすい評価指標を新たに打ち出すのはとても難しいように思えますが、提案されてきているものなどはあるのでしょうか。

A2. 実務レベルで使われることの多い定量指標としては他にもH-indexやFWIF等がありますが、定量指標ではなく定性的評価(=*ピアレビュー)をメインにというのが国際的な動向かと思います。
(*=部分は、正しくはニアリーイコールですが、ウェブページの仕様上、イコール表記となっています)


Q3. 民間の出版社は学術情報の流通や質の担保にもかなり貢献していると思います。投資しノウハウを構築していると思います。確かに高騰、版権など問題がありますが、これを、ダイアモンドOAとして公的資金で行っていくことは継続性の意味でかなりハードルが高いと思います。共同出資による新しい出版社を立ち上げるようなものだとも思いますが、現実的なものでしょうか?

A3. 実際講演内で取り上げたOLH等は「共同出資による新しい出版社」のようなものだと思うので、すでに実現されある程度の年数経営が持続している例はあります。ただ、講演内でお話ししたように、日本の文脈でそれが可能かというと、(その必然性がどれだけあるのかというところから含めて)よく分からないというのが正直なところです。


Q4. 学術出版社と研究者が共存するための方策として、転換契約ではなく、次のようなモデルを考えている人はいないのでしょうか? (1)論文の著作権は著者が持つ。著者は学術出版社に誌名を限定した複製権と公衆送信権を許諾して使用料を受け取る。(2)学術出版社は査読および情報流通しやすい形にして出版するための費用を著者から受け取る。出版形式はOA。(3)論文のダウンロード数に応じて、例えば1ダウンロードに対し1ドル(さすがにアクセス数での支払いは出版社に酷なので)、出版社は著者あるいは著者の所属機関へ支払う。著作権料と出版手続き費の落としどころを交渉するにはお互いが対等な関係である必要があると思います。

A4. (1)の前半を可能にするために欧州等で進められているのが権利保持戦略(や二次出版権)だと思うのですが、これがどれだけ実効的なものとなるかはまだ不透明な状況なのではと捉えています。

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