欧米のサイエンスコミュニティーでは、多くの研究者が学術雑誌のエディターの経験を積むことを熱望しており、これが研究者としてのキャリア形成に重要な要素であると考えられている。一方、日本では学術雑誌エディターの重要性が認識されることは少なく、むしろ、人脈を広げ研究の規模や共同範囲を発展させつつ国際的インパクトの高い業績を積むこと等の重要性の方が遥かに多く言及される。
そこで本セミナーでは、エルゼビア社シニア・パブリッシャーであり、世界の様々な学術雑誌の編集・出版をサポートする佐々木氏と、学術雑誌のエディター業務に豊富な経験を持つ新潟大学の大島教授を講師として迎える。両講師には、研究者が学術雑誌のエディターとして活躍する実際の場面やその活動に要するエフォート、またエディターとしての活動が研究キャリア形成上にもたらす利点などについて具体的かつ多角的にお話しいただく。
さらに、パネルディスカッションを設け、両講師の講演内容を基に、研究キャリア形成における学術雑誌エディターの価値についてさらに掘り下げる予定である。同時に、研究キャリア形成で重要視される「研究規模や協働範囲の拡大」、例えば、「大型共同研究プロジェクト」を提案・推進する活動と、学術雑誌の特集号をゲストエディターとして作り上げる活動には、特定分野の多様な研究者による「チーム形成」と「著者の編成」をはじめ、多くの共通点があることを指摘する。そこで、特集号制作のノウハウを大型共同研究プロジェクトの提案・推進に活かし、逆に、大型共同研究プロジェクト提案・推進のノウハウを特集号編纂に活かすことで、両活動で研究成果の国際的インパクトを高め、研究キャリアも飛躍させる、win-winの方法についても論じる。
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2023年度自然科学研究機構OPEN MIX LAB (OML)公募研究プログラム採択課題名「多分野研究者の参加するオルガノイド関連トピックに関するワークショップの開催」
セミナー実行委員会
加藤 英之URA(東京工業大学)
服部 玲子URA(東京工業大学)
太田 一陽 特任准教授(金沢大学)
佐々木 真理URA(東京医科歯科大学)
小泉 周 特任教授(自然科学研究機構)